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またまたジョージア・ワインの話です。
ジョージア・ワインに「ピロスマニ」という銘柄があります。
その名の元になったニコ・ピロスマニは19世紀から20世紀にかけて活動したジョージア出身の画家のひとりで、素朴派と呼ばれるなかなか味のある絵画をたくさん残しました。

ブドウ畑に転がった大きなクヴェヴリの絵もちゃんと描いてます。
放浪の画家と言われただけあって、ピロスマニは生涯をかけてジョージア中のあちこちに旅しており、エピソードにはこと欠きません。
その中で伝説としても有名なのが、「百万本のバラ」の逸話です。日本では加藤登紀子さんの持ち歌として知られるこの曲は、ラトビアのある音楽祭での優勝曲である「マーラがくれたもの」をロシアのアーラ・プガチョワがロシア語で歌って世界中に広まったもので、作詞はアンドレイ・ヴォズネセンスキー。
ピロスマニとジョージアの女優兼歌手であるマルガリータとのロマンスをテーマにしたこのロシア語の歌詞はラトビア語の原曲とは何の関係もないし、ロマンス自体が伝説の域を出ないので、まあどうでも良い話なのですが、それはともかくとして生前はあまり日の目を見なかったピロスマニがここまで注目されるというのも、ちょっと驚きです。
で、肝心のワインですが、比較的安価で売られており、ボディはだいたいがミディアム・ボディでやや甘口。人生の辛酸をなめたピロスマニにしてみれば世の中そんなに甘くはないぞと言いたいところかもしれません。